同じ事実であっても、それをどの角度から見て、どのように切り取るかによって印象は全く違ってくる。
心理学では、この「切り取る」ことを
フレーミング
といいます。
このフレーミングをうまく利用することで、心理戦で優位に立つことができます。
言葉は見方で大きく変わる
たとえば、目の前のグラスに半分ほどの水が入っている。
これを
もう半分しか残っていない
と伝えるか
まだ半分も残っている
と伝えるかで、相手に与える印象は大きく変わってくる。
同じ半分の水なのに、
ものごとの見方や考え方次第
ではその心理的影響が大きく変わってくるのだ。
心理実験において
あるフレーミングを使った心理実験についてみていきましょう。
テーマは「乳がん検査」
このとき、一方のグループには
早期発見すれば、治療の幅が広がります
とポジティブな説明をした。
しかし、もう一方のグループには
早期発見しないと、治療の幅が狭まります
と恐怖心をあおる説明を行った。
その結果、恐怖心をあおられたグループのほうが説得されやすくなることが明らかになった。
つまり、乳がん検査なので、よりネガティブな説明をした結果によって
あ、乳がん検査しないと自分の身が危ない
と感じたのだろう。
また別のパターンでは
70%が赤身の牛肉を買おうとしていたところ
に、通りかかった人が
おう、30%も脂肪なんだね
と口を出してきたら、怖くなって思わず商品を棚に返してしまうのではないだろうか。
このように、
言葉の意味は見方によってさまざまに変わる。
それも、どちらかというとネガティブな見方をする傾向があるのだ。
つまり、心を動かす要因のひとつに「恐怖」があるということだ。
相手がこちらの要求を聞いてくれないようなときには、この恐怖心を利用した心理戦を仕掛けるのも手であろう。
教育での利用例
今やらないと、受験で損しちょうよ
もしテストで80点取りたいなら、20点しか間違えられないんだよ?
いろんな言い方がありますが、相手に納得してもらえるような言い方で伝えていきましょう。