2018.12月 【完全版】最新「大学入学共通テスト」を知ろう

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進路指導

 

え?センター試験廃止?

 

そもそも大学入学共通テストってなんだ?

 

何が変わるの?

 

難しくなるの?

 

先生をしていると避けては通れない話です。

今になって情報が少しずつ出始めています。

今回は、最新(2018.12月)の情報をお伝えします。

ぜひ、進路相談や今後の教育に生かしてほしいです。

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なんでセンター試験が変わるの?

大学入試改革は、高大接続改革(高校から大学への接続を改革する取り組み)の一環です。

今後、ますます進展するグローバル化やAI技術、日本の生産年齢人口の減少など、これから先の社会の見通しが不透明な中、子どもたちには新たな価値を創造していく力が必要とされています。

要は、

受け身ではなくて、自ら問題を見つけ解決できる人

を育てていきたいということですね。

そのため、国は

高等学校教育と大学教育、大学入試を三位一体で改革することを重要としました。

これから社会で自立的に活動していくために必要な力を

学力の3要素

として定義づけ、大学入試ではこれを多面的、総合的に評価するとしています。

学力の3要素

1. 知識・技能の確実な習得

2. 思考力・判断力・表現力

3. 主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度

まとめると

受け身ではなくて、自ら問題を見つけ解決できる人

ってことです。

大学入学共通テストって?

まずは今後のスケジュールです。

スケジュール

2018年度 プレテストの実施 

小学校で英語が教科化

◆小学校で新学習指導要領の移行措置開始

◆高校で「高校生のための学びの基礎診断」認定制度の運用開始

 

2019年度 大学入学共通テスト実施内容の策定・公表

 

2020年度 大学入学共通テストの実施

◆小学校で新学習指導要領全面実施

 

2021年度 新学習指導要領に対応した内容の予告

◆中学校で新学習指導要領全面実施

1.大学入学共通テストの実施方針は?

「大学入学共通テスト」とは、2020年度から現行の大学入試センター試験に代わって実施される、大学教育を受けるために必要な力を図るためのテストです。

 

「共通テスト」「新テスト」とも呼ばれている「大学入学共通テスト」ですが、

2020年度からずっとこの方式で進むわけではなく、2024年度からは、また出題などが変化します。

そのため、現在発表されている2020年度から2023年度の「大学入学共通テスト」は、順当に行けば、現在(2018年度)の中学1年生から高校1年生までが受験することになります。

これは、学校で習う内容を定めた「学習指導要領」が、この期間で変わっているため、

それらに対応するようにテストも変わることが理由です。

大学入学共通テストの概要表

出題内容としては、思考力・判断力・表現力をより一層重視した問題が作成されます。

・問題解決のプロセスを自分で考えることが求められる問題

・複数のテキストや資料から情報を組み合わせることが必要な問題

・日常生活や他の教科・科目、社会と関連付けた問題などが出題

このような問題が出題されていきます。

それでは、2020年度~2023年度の大学入学共通テストの各項目について、どのような変更があるのか詳しく見ていきましょう。

2. 国語や数学の記述式問題が導入される

大学入学共通テストでは、「国語」「数学Ⅰ」「『数学Ⅰ・A』の数学Ⅰの範囲」で、マークシート形式の問題に加えて、記述式問題も出題されます。

国語

大学入学共通テストの国語で記述式問題が出題されるのは、古文・漢文を除いた「総合国語」です。

出題される記述式問題は3問程度で、その中には文字数80~120字の問題が含まれます。

国立大学の個別試験等で見られる記述式問題と比べると短いですが、その分、考えをまとめていないと文字数オーバーしてしまう可能性もあります。

試験時間はマークシート形式の問題と合わせて100分で、従来のマークシート形式だけの試験より20分ほど長くなっています。

記述式問題では問題用紙に下書き欄が用意されているので、

実際の試験では解答用紙に清書を書き写す時間も必要です。

 

国語の記述式問題で評価される基準としては、

図を含めた複数の情報を統合し構造化して考えをまとめる能力

考えをまとめた過程や結果について、相手が理解できるよう根拠に基づいて論述する思考力・判断力・表現力

情報と情報の関係性の吟味・構築力

情報を編集して文章にまとめる能力

が挙げられています。

つまり、文章や図を「読み取る→組み立てる→まとめる」ことを、論理的にできているかどうかということが重視されるようです。

また、出題される文章の素材としては、

・論理的な内容を題材にした説明、論説等

・新聞記事・社説、会議等の記録、実務的な文章(取扱説明書、報告書、提案書等)、契約書や法令の条文、公文書等

・統計資料(図表・グラフ等)を用いた説明等

などが例として挙げられています。

大学入学共通テストにむけて勉強をする際には、このような文章を

読み慣れるために練習をすることも効果がありそうですね。

 

数学

数学の記述問題は、「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・A」のうちの「数学Ⅰ」の範囲で出題されます。

問題数は3問程度で、大問の中にマークシート式問題と記述式問題が混在して出題されます。

試験時間はマークシート形式の問題と合わせて70分なので、従来のマークシート形式だけの試験より10分ほど長くなります。

出題形式の例としては、

・数式、図表、グラフなどから問題を解く

・問題を数式、図表、グラフなどにして解く

・問題解決するに当たって把握すべき数学的な事柄・事実や、問題解決に向けた構想を立てることなどの問題解決の方略を表現すること

・問題解決のプロセス全体を表現すること(いわゆる証明問題など)

が挙げられています。

 

しかし、平成29年度試行調査の問題を見る限り、こちらも大学の個別試験のような長い証明問題を記述させるというより、数式や数行の説明を記述させる問題が主となるようです。

さらに、2024年度からは地歴・公民や理科でも記述問題が出題されることが検討されています。

3. 試行調査(プレテスト)とは?

センター試験や共通テストの問題作成などを行う大学入試センターは、大学入学共通テストの問題構成・内容・改善や採点方法等について適切かどうかを調べ、検証するために、試行調査(プレテスト)と呼ばれる調査を行っています。

 

 

こちらが実際のプレテストの問題の一部です(国語)

今までのセンター試験では、マーク式のみでしたが、ご覧のように記述式が入っています。

これは、全国の高校や中高一貫校などの協力校で、高校2年生以上の生徒たちに問題を解いてもらい、改善点などを調べるためのものです。

もちろん、実際の試験は、試行調査(プレテスト)の時から改善される可能性はありますが、

初めて大学入学共通テストを受験する学年にとっては、いい練習問題だと言えそうです。

過去に行われた試行調査(プレテスト)は、大学入試センターのホームページに問題・解答が公開されているので、事前に解いて時間配分や問題構成を掴んでおくといいでしょう。

4.入試改革で英語の民間試験を使うって?

大学入学共通テストの話題と一緒に、2020年度からは大学入試で

TOEFL

ケンブリッジ英語検定

GTEC

など民間の英語資格・検定試験を使うと聞いたことがあるかもしれません。

これまでの大学入試センター試験では、マークシート式のリーディングや文法などの問題と、リスニングの試験が行われていました。

しかし、外国語には

「リーディング」「リスニング」

のほかに、

「スピーキング」「ライティング」

という要素もあり、これらの4つを合わせて「英語4技能」といいます。

これからの社会で必要とされる英語4技能を測るため、2020年度から2023年度は、大学入学共通テストの枠組みの中で、いくつかの一般的な民間の英語資格・検定試験を利用することになりました。

「大学入学共通テストの枠組みの中で利用」というのは、

受験生が高校3年生の4月~12月に受験した英語の資格・試験の成績

大学入試センターが、共通テストの成績と一緒に各大学に提供するというものです。

つまり、2020年度から2023年度の間は、

大学入学共通テストの「英語」

と、

民間の英語資格・検定試験

をダブルで受験することになります。

各大学は、それらの成績と、個別試験などの成績を合わせて、合否を判定します。

プレテストの実施結果とその課題は

2017年11月に行われた「大学入学共通テスト」のプレテストの結果についてみていきます。

テストは全国の高等学校の約4割で実施され、原則的に高校2年生が対象でした。

対象教科は国語、数学、地理・公民、理科でした。

まずページ数については、思考力や判断力、問題解決の過程をみるという新たな作問方針により、科目もよっては大きく増加しました。

例えば、世界史Bでは2017年度のセンター試験の26ページから46ページになっています。

他の教科も、全体的に約2割ページ数が増えています。

ただし、ページ数が増えても解答する数はあまり変わっておらず、中には減っているものもありました。

つまり、1題あたりの情報量が増えたといえます。

複数の文章や図、グラフなどを読み取る問題が多く、文章に加えて資料等の情報を素早く読み取る力も求められる試験となりました。

そのほか、ある事柄の概念や因果関係を問うような問題や、異なる分野の知識を組み合わせた問題なども登場しています。

従来にない形式に受験者は戸惑ってしまい、正答率は下がりました

これらの問題について、大学入試センターは、今回の調査の問題がそのまま大学入学共通テストに受け継がれるものではなく、解答の状況を分析しながら検討するとしています。

高校入試でも変化が?

大学入試の変更に伴い、各県の高校入試でも

「知識・技能」

「思考力・判断力・表現力」

「主体性・多様性・協働性」

を評価できるように試験問題が変わりつつあります。

 

         

の画像

10年前の社会の解答用紙

の画像

現在の社会の解答用紙

 

見ただけで、記述の問題が増えたことがわかると思います。

当然、記述の問題が増えたということは、難しくなってきているということです。

先生が知っていてほしいこと

今、先生の方はこの大学入試の変化を知る必要があります。

的確なアドバイスをしていくときには、確実なデータ・情報が必要です。

先生方が受けていたテストと、今の生徒が受けるテストが変わるわけです。

今までのセンター試験ができたからって、何の自慢にもなりません。

時代が変わってきているので、当然試験も変わります。

そこで、私たちは情報を常に持っておくことで、しっかり生徒に伝えていきましょう。

保護者に知っておいてほしいこと

昨今の試験は本当に難しくなってきています。

高校入試の問題も、ここ5~6年で全く別試験になっていると感じてもらいたいです。

5~6年前の高校入試 平均点 1科目60点
今の高校入試      平均点 1科目45点

です。

それほどに問題が難しくなっているんです!

だから、保護者は、この現状を知っておいてほしいのです。

保護者(自分)が受けていたテストより、はるかに難しいテストを受けているんです。

保護者が学生だった当時を思い返して

 

 

社会は80点以上取れて当たり前でしょ

 

 

 

は通じません。実際の問題、答案を見てみてください。

本当に難しいです。

80点という点ではなく、よくいう話ですが

平均点との差

を着目してください。いわゆる偏差値というやつです。

単純な取った点ではなく、

周りからどれだけ差をつけて得点できたか

かとても大事です。

そこをしっかりみて、ほめるようにしましょう。

得点だけ確認して、60点だから結果はよくないではないです。

試験の変更は複雑、それでも大事にすることは変わらない

ここまで大学入試の変更・高校入試の変更について紹介してきました。

 

試験変わりすぎ

 

 

 

記述多くなって、どうしたらいいんだろう

 

 

 

民間試験の英語って、何をしたらいいんだろう

 

 

たくさん悩みはあります。

しかし、大事にすることは今も昔も変わらないと思います。

自分の目標に向かってがんばること

考えて問題を取り組むこと

です。

ただやるだけでは、絶対に成績は伸びません

 

塾に通わせているから大丈夫だろう

 

 

 

宿題はやっているから大丈夫だろう

 

 

そんなことないです。

ただやるだけになっていませんか?

答えを写しているだけではないですか?

 

私たち先生は、日々生徒に声をかけていくこと

親であれば、子どもに疑問を投げかけていくこと

どうして、そう思ったの?

なんで、そう思ったの?

そう声をかけることで、考えるきっかけになります。

その考えるということが大事なんです。

考えることが

思考力

表現力

になります。

もちろん、試験対策も大事ですが、この日々の取り組みも大事にしていきましょう!

とにかく相手を信じて、がんばりましょう。

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