コーチングとは

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「コーチ (Coach)」という言葉が最初に登場したのは 1500 年代といわれています。

その語源は「馬車」。馬車の役割は、「大切な人をその人が望むところまで送り届ける」ということです。

そこから派生してコーチングは、「人の目標達成を支援する」という意味で使われるようになりました。
教育環境、ビジネス環境が刻々と変わり、人との接し方、組織のあり方も変わる中、
コーチングは教育現場では必須のスキルに、部下育成や組織のマネジメントから、
家庭でのちょっとした言葉のかけ方にまで、
とても重要なコミュニケーションとして求められるようになっています。

コーチングとは「自発的行動を促進するコミュニケーション」です。

 

相手に、
・新しい気づきをもたらす

・視点を増やす

・考え方や行動の選択肢を増やす

・目標達成に必要な行動を促進する

ための効果的な対話を作り出します。

ここで重要なのは、

コーチがこれらを先導したり強制したりするのではなく、相手が主体性を持ちながらそれを実現する

ところにあります。

ティーチングとコーチングの違い

教育の現場ではティーチングというものもあります。

teach=教える

ですね。

ティーチングが相手の外側から内側に向かって「答えを与えるアプローチ」
コーチングは相手の内側から外側に向かって「答えを引き出すアプローチ」

と考えましょう。

具体例としては、「生徒が宿題をやってこなかった場合」を考えてみましょう。

~ティーチング~

どうして宿題やってこなかったの?

忘れてました

忘れないためには、ちゃんと毎日メモして帰るようにしなさい。それから家に帰ったら、まず今日することを確認するようにして、計画を立ててから取り組むようにしてね。そうすると忘れないから。

 

これをティーチングといいます。

どうすればうまくできるのか、先生側が持っている「答え」を伝えています。

勘違いしていただきたくないですが、ティーチングが悪いわけでは決してないです。

人を育てる、子どもを教育するという場面で「ティーチング」が欠かせないアプローチであることは言うまでもありません。

知識や方法を教えることは大切な要素です。

 

~コーチング~

宿題をやっていない理由は?

忘れてました

そうか、忘れてたんだね。どうすれば、次は忘れずにできるかな?

やる気があれば・・・・

そっか、今回はやる気がなかったんだね

はい

じゃあ、どんなことがあれば宿題をやる気になれそうかな

・・・何か楽しみがあればできるかも

〇〇君にとって楽しみなことって何かな?

ゲーム!

じゃあ、宿題が終わってゲームができると思ったら、宿題もがんばれそう?

はい!

これがコーチングです。

もちろん、コーチングの中で行われていることは、他にもたくさんの要素があるのですが、ティーチングとの違いを感じることができたのではないでしょうか。

コーチングは、有名な学者がつくり出した理論でも、特別に新しい考え方や技術でもありません。

対話を重ねるコミュニケーションを通してコーチングを受ける対象者が目標達成に

必要なスキル

知識

考え方

を備え、行動することを支援し、成果を出させるプロセスであり、

人と組織の可能性を開くために、

現在は先生のみならずリーダーやマネージャーに求められる能力です。

 

なぜ、教育に「コーチング」なのか
ティーチングは確かに必要なアプローチです。
私もそうですが、最近ティーチングだけでは限界があると感じるようになってきました。
どういう限界かというと
「先生が持っている以上のものは教えられない」
という限界です。
先生側も体験したことがないことに出会ってしまったとき、
「先生の限界が相手の限界」になってしまいます。
子どもたちが巣立っていく社会は、ますます速いスピードで変化しています。
先生や親が持っている「答え」を教えることだけで、果たして子どもたちは対応していけるのでしょうか。
先生が「こうしなさい!」ということが本当に子どもにとって最適な解決策なのでしょうか。
むしろ答えを与えられることで、

「いちいち言われなくてもわかってるよ」

とかえって反発を覚えてしまうこともあります。

「わかってるけど、それができないんだ」

と落ち込む場合もあります。
または

「うまくいかないんですけど、どうしたらいいですか?」

と自分で考えず、絶えず依存するようになるおそれもあります。
一方、コーチングの対話例では、いきなり「解決策」を伝えるのではなく、
質問をして相手に考えさせています
そうすることで「忘れること」が問題なのではなく、
「宿題をやる意欲」に左右されるのだということが子どもの口から、明らかになっていきます。
そして、こちらが思ってもみなかった「ゲーム」という答えが相手から出てきます。
大人の視点からは「そんなことで」とつい思いがちですが、ゲームで子どもたちが自発的に宿題に取り組めるようになるのであれば、それも一つの効果的な解決策です。
前述にもある通り
相手の自発的な行動を引き出し、相手の問題解決、目標達成を支援するコミュニケーション
がここ数年、教育の現場で注目を集めるようになってきました。
多様化する価値観、情報が氾濫する昨今、子どもたちが依存に陥ることなく、自分で考え、解決策を編み出していけるように育成することは、非常に効果的であると考えられています。
先生には
コーチングの考え方は必須
なのです。